La vie en rose.

色彩に乏しい毎日を送ってる気がしてね。
なんだろうね、花の咲き乱れる夕暮れの田園をさ、
スモークガラスの車で脇目も振らずに突っ切ってるような生活だね。
周りには美しいものも愛すべきものも溢れてるのに、
そんなものに手を伸ばす気にもならないってのは病んでる証拠かい?
でもね、俺はB型なもんでさ。
綺麗な花を摘んだところで生け方がわからないし、
ズボラなもんで、すぐに水をやるのを忘れちまいかねないからさ。
ああ、インテリアなんてのもそうだな。
この散らかしきって足の踏み場も無い部屋に、
何の意味も無いってね。
……ああ、わかってるよ。努力が足りないってね。
でもね、そういうのはどうもさ、他の奴らに任せた方が良くないか?
綺麗なものは、綺麗な誰かの手の中にあるのが一番似合ってるよ。
君は、薔薇色の人生を。