2007-01-01から1年間の記事一覧

Snow comes.

足元に 微かな月光 大気に満ちる 無音の舞踏 雪が 降りる

La chaise sans maitre.

夜の底で 不在が 喧しい 「かつて」 三音節の狭間の 輪廻 束の間の悠久 主無き安息日

The Bluest.

穏やかな凪の底の 潮流 遥かな天を横切る 突風 胎動する この蒼が 全ての始まり

化粧。

「月に一度の晴れ姿だ、邪魔されたんだから、頬紅くらいは頂いていくさ」 まんげつはそういって、かげのむこうでにたりとわらった。

磔刑の空。

今宵はどうも紅い月が昇るそうだが 雲は素知らぬ顔して蒼穹に首括られている

十六夜待

目を凝らしても 気付きようのない 欠損 昨日への賞賛が 今日を 認識の彼方へ 朧に煙る 仄白き闇 滲んだ 十六夜の月

fantasma/cantus

瞼の中に 熱 残響は 背骨に渦巻く 喉の奥の 蜃気楼 声と 中指が 此処を 泳ぐ

Elan vital.

佇む、 その中を蠢く 激流 呼吸に 嵐は 熱と 共に 在る それが 速く強い

【火傷】

1:《function》 [イタイ:もうおなじことをしないために] [アツイ:すぐにそこからにげるために] 2:《expression》 『それでも、僕は触れてみたかった』 3:《unction》 「傷は癒えて、痛みを忘れるから」

La Valse.

un 三歩しか歩めぬ檻。 deux 繰り返す、繰り返す、 trois 華やかなる因果応報。

pianissimo.

遠ざかる高次倍音(フラジオレット) 風の隙間にオリオンが佇む 凍結しろ、言の葉。

いつからか、そこに在った。 沈黙する彩り 影を落としたのは、私だった。

暴食。

今の俺には、 エロスと体温と祈りと美と狂気と肉欲と優しさと暴力と友愛と執着と体力と精神力と決断と知識と嫉妬と悪夢と歌と閃きと運と腕力と衝動と愛情と妥協と自尊と怠惰と労わりと構成力と奉仕と憤怒と希望と悪意と節制が足りねえよ。 どれか一つでも構…

Breathe.

独りで呼吸するのにも飽きた。 だけど、一体誰と何を話せばいいだろう? 僕は全てが好きで、 何も愛していない。 ただ黙って中指でも泳がせていたい。 雲の遅さに目を細めながら。