Happy Ending.

ラブストーリーのHappy Endの後には、
長い長い日常が待っていることを知っている。
どんな長い坂道や曲がり角を越えて結ばれたとしても、
それはあくまでも、過程でしかない。
その後には幸せな蜜月や、言い争いや、
穏やかな日々や、傷付けあう苦痛や……
だから、僕はHappy Endを信じない。
プラトニックなラブストーリーの果てに結ばれた二人も、
時が経てばセックスをするようになるのだろうし、
案外身体だけで慰めあうような空しい関係だった二人が、
10年後には幸せな家庭を築いていたりするのかもしれない。
ただ一つ確かなことは、どんな二人にも終りはやってくること。
永遠の愛は大抵成就しない。
成就したとしても必ず死が二人を阻む。
どんな物語も、いつだって「終わりの始まり」しか描けない。
描かれない物語はいつも「始まりの終わり」で。
そんな悟りすましたようなことを呟きながら、
やっぱり僕は有限の愛を求めている。