i Pagliacci.

淋しいんだよね、そりゃあさ。
独りは嫌だよ。
でもね、自分には誰も幸せに出来ないって無力感と、
良かれと思ったことが大事な人を傷付ける絶望感に比べれば、
まあ……いくらかはマシだよね。
ああ、誰も幸せに出来ないのは努力が足りないからだろうさ。
経験も思考も足りないから、こんなことを仕出かすんだ。
これで立ち止まるのは只の怠惰だろうさ。
でも、其の為の経験の途上で試行錯誤しながら、
最終的に誰かを守れるような人間になれるとすればさ。
その途上で傷付けられた人々は、いい面の皮だよな。
そんなことを考えるような子供だから、
俺は誰も守れない。誰も幸せに出来ない。
ならば俺はここで立ち止まって、
誰も傷付けない路傍の石となって朽ち果てたい。
もしくは一生外れることの無い仮面を被り、
道化師らしく素顔を見せずに立ち去って行きたい。


ああ、でもそう生きることすら迷惑をかけてしまうとしたら?