世界はそれを何て呼ぶのかな?

最近誰かと寝たくて仕方無い。
ぶっちゃけた話、セックスだってしたいさ。
ただ、その感情の出処が何処かって話。

『淋しい』……そうだね、シンプルかつ的確だ。凄く淋しい。

『性欲』……当然だ。まがりなりにも若い男だし。人一倍エロいことも自覚してる。

『寒い』……バカみたいな理由だけと、実際そうだよ。人肌に慣れちゃってたから。もう10月か、早いね。


……でもさ、なんかおかしいよな、って。

『恋』とか『愛』みたいな文字が1つも出てこないんだ、どうしても。
文字にならないような不定形な感情もそりゃあるさ。
でも、そういうのの何処を掬ってみても、今まで散々経験してきた愛や恋みたいな成分の残滓も見当たらないんだ。


困った話だよね、そういうのは柄じゃないって自覚してたのにさ。
愛の無いセックスが何となく嫌で、2年もご無沙汰してたってのに。

誰かが言ってたね、
「私らの人生の三割を恋愛が占めてるとしたら、アンタは八割だ」
なんてね。


アレかな、ずっと2割で稼働してたから壊れちゃったかな、俺?

少なくともさ、こういう男って世間では嫌われるんだってね。

こういう哀れみを誘うような台詞を吐く野郎はなお、ね。


さて、どうしよっか?

あ、そうそう。知ってた?俺って割とこんなんだよ。
幻滅しといた方が案外得するかもね、ははっ。


参ったなあ、淋しいな。それに寒い。
寝る時ってもうちょっと腕重くなかった?


あーあ、今更こんなこと言っちゃって。
やらしいなー。


あ、やらしいからヤりたがるんだったね。


なんだ、当然の帰結じゃん。

当たり前の結論が出たことだし、今日はぼちぼち寝るよ。

おやすみなさい。