ありふれた言葉。 何処かで目にした言葉。 しかし、溢れ出るのはいつもそんな言葉だ。

分ける。年齢で分ける。性別で分ける。人種で分ける。 趣味で分ける。職業で分ける。愛憎で分ける。顔で分ける。 分ける。分けきってなお残るものをどう扱う？

主題は一つ。 変奏は無限。 生命は有限。

ただ、交差点があるだけ。 あまりに遅い相対速度が錯覚を起こす。 たった一度のズレが、彼方では姿も見えぬほどに。

自分が嘘をついている、 そう確信できるから安心している。 何も意図されなかった言葉の痛切な悲鳴。

君の遠さを感じる度に、 僕は心の平安を得ている。 空が遠い、故に心惹かれるように。

"I was loved."というあまりに空虚な主張。 私はかつて在った者ではあるけれども、 恐らくは自らの連続性を信じていない。